共有者に連絡が取れない場合でも相続土地国庫帰属制度の承認申請をすることができますか?

共有者に連絡が取れない場合でも相続土地国庫帰属制度の承認申請をすることができますか?
相続土地国庫帰属制度
 ~相続した土地を国に帰属させたいとき~

事例紹介

・相続土地国庫帰属制度の承認申請書作成代行

茨城県 (事務所ホームページのお問い合わせフォームからご依頼いただいた事例。)
別荘地 (事務所ホームページを見て電話された方からご依頼いただいた事例。)

・仮杭設置及び図面作成

佐賀県 (登記記録の地目:山林、現況地目:雑種地。境界標なし、対象地及び隣接地は全て更地。)

佐賀県 (地目:宅地。境界標一部あり、隣接地の一部に建物がある土地。

報酬額(税込

・相続土地国庫帰属制度の承認申請書作成代行 30万円~
詳細は、「相続土地国庫帰属制度の承認申請書作成代行費用はいくらですか?」をご覧ください。
※審査手数料(1筆当たり14,000円)及び負担金(1筆当たり20万円が基準)が別途発生します。

・仮杭設置及び図面作成 15万円~
詳細は、「相続土地国庫帰属制度業務の「仮杭設置及び図面作成」を
土地家屋調査士にお願いした場合の費用はいくらですか?
」をご覧ください。

ご依頼の流れはこちらです。
(ご相談→概算御見積金額のご提示→正式御見積金額のご提示→業務着手)

共有者に連絡が取れない場合でも相続土地国庫帰属制度の承認申請をすることができますか?

1 共有者に連絡が取れない場合でも相続土地国庫帰属制度の承認申請をすることができますか?

2 所在等不明共有者の持分の取得及び所在等不明共有者の持分の譲渡の根拠法令は?

3 所有者不明土地管理人及び所有者不明土地管理命令の根拠法令は?

1 共有者に連絡が取れない場合でも相続土地国庫帰属制度の承認申請をすることができますか?

共有者に連絡が取れない場合でも相続土地国庫帰属制度の承認申請をすることができますか?

共有者に連絡が取れない場合でも、相続土地国庫帰属制度の承認申請をすることができる場合があります。

所有者不明土地管理人でも、裁判所の許可があれば、相続土地国庫帰属制度の承認申請をすることができる場合があります。

相続土地国庫帰属制度の承認申請は、共有者の全員が共同して申請を行う必要があります。

まず、「所在等不明共有者以外の共有者」が、「所在等不明共有者」の共有持分を「所在等不明共有者以外の共有者」に取得させる旨の裁判をした上で、当該共有持分を「所在等不明共有者以外の共有者」に移転させるなどした上で、相続土地国庫帰属制度の承認申請をすることを考えることができると思います。

所在等不明共有者の持分の取得については、民法(明治29年法律第89号)262条の2に定められています。

ただし、所在等不明共有者の持分が相続財産に属する場合(共同相続人間で遺産の分割をすべき場合に限る。)において、相続開始の時から10年を経過していないときは、「所在等不明共有者」の共有持分を「所在等不明共有者以外の共有者」に取得させる旨の裁判をすることができないとされています。

詳細は、裁判所ホームページ「所在等不明共有者持分取得申立てについて」をご覧ください。

次に、所有者不明土地管理人を専任し、所有者不明土地管理人が、裁判所の許可を得て、相続土地国庫帰属制度の承認申請をすることを考えることができると思います。

民法第264条の2の規定により、「裁判所は、所有者不明土地管理命令をする場合には、当該所有者不明土地管理命令において、所有者不明土地管理人を選任しなければならない。とされています。

法務省ホームページ「相続土地国庫帰属制度に関するQ&A 3 受付関連」において、同様のQ&Aが載っています。

詳細は、裁判所ホームページ「所有者不明土地・建物管理命令について(汎用)」をご覧ください。

2 所在等不明共有者の持分の取得及び所在等不明共有者の持分の譲渡の根拠法令は?

民法262条の2により、所在等不明共有者の持分の取得について定められています。
また、民法262条の3により、所在等不明共有者の持分の譲渡について定められています。

民法
(所在等不明共有者の持分の取得)
第262条の2 不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に、当該他の共有者(以下この条において「所在等不明共有者」という。)の持分を取得させる旨の裁判をすることができる。この場合において、請求をした共有者が二人以上あるときは、請求をした各共有者に、所在等不明共有者の持分を、請求をした各共有者の持分の割合で按あん分してそれぞれ取得させる。
2 前項の請求があった持分に係る不動産について第258条第1項の規定による請求又は遺産の分割の請求があり、かつ、所在等不明共有者以外の共有者が前項の請求を受けた裁判所に同項の裁判をすることについて異議がある旨の届出をしたときは、裁判所は、同項の裁判をすることができない。
3 所在等不明共有者の持分が相続財産に属する場合(共同相続人間で遺産の分割をすべき場合に限る。)において、相続開始の時から10年を経過していないときは、裁判所は、第1項の裁判をすることができない。
4 第1項の規定により共有者が所在等不明共有者の持分を取得したときは、所在等不明共有者は、当該共有者に対し、当該共有者が取得した持分の時価相当額の支払を請求することができる。
5 前各項の規定は、不動産の使用又は収益をする権利(所有権を除く。)が数人の共有に属する場合について準用する。
(所在等不明共有者の持分の譲渡)
第262条の3 不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に、当該他の共有者(以下この条において「所在等不明共有者」という。)以外の共有者の全員が特定の者に対してその有する持分の全部を譲渡することを停止条件として所在等不明共有者の持分を当該特定の者に譲渡する権限を付与する旨の裁判をすることができる。
2 所在等不明共有者の持分が相続財産に属する場合(共同相続人間で遺産の分割をすべき場合に限る。)において、相続開始の時から10年を経過していないときは、裁判所は、前項の裁判をすることができない。
3 第1項の裁判により付与された権限に基づき共有者が所在等不明共有者の持分を第三者に譲渡したときは、所在等不明共有者は、当該譲渡をした共有者に対し、不動産の時価相当額を所在等不明共有者の持分に応じて按分して得た額の支払を請求することができる。
4 前3項の規定は、不動産の使用又は収益をする権利(所有権を除く。)が数人の共有に属する場合について準用する。

3 所有者不明土地管理人及び所有者不明土地管理命令の根拠法令は?

民法264条の2から同条の7により、所有者不明土地管理人及び所有者不明土地管理命令について定められています。

民法
第四節 所有者不明土地管理命令及び所有者不明建物管理命令
(所有者不明土地管理命令)
第264条の2 裁判所は、所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない土地(土地が数人の共有に属する場合にあっては、共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない土地の共有持分)について、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、その請求に係る土地又は共有持分を対象として、所有者不明土地管理人(第4項に規定する所有者不明土地管理人をいう。以下同じ。)による管理を命ずる処分(以下「所有者不明土地管理命令」という。)をすることができる。
2 所有者不明土地管理命令の効力は、当該所有者不明土地管理命令の対象とされた土地(共有持分を対象として所有者不明土地管理命令が発せられた場合にあっては、共有物である土地)にある動産(当該所有者不明土地管理命令の対象とされた土地の所有者又は共有持分を有する者が所有するものに限る。)に及ぶ。
3 所有者不明土地管理命令は、所有者不明土地管理命令が発せられた後に当該所有者不明土地管理命令が取り消された場合において、当該所有者不明土地管理命令の対象とされた土地又は共有持分及び当該所有者不明土地管理命令の効力が及ぶ動産の管理、処分その他の事由により所有者不明土地管理人が得た財産について、必要があると認めるときも、することができる。
4 裁判所は、所有者不明土地管理命令をする場合には、当該所有者不明土地管理命令において、所有者不明土地管理人を選任しなければならない。
(所有者不明土地管理人の権限)
第264条の3 前条第4項の規定により所有者不明土地管理人が選任された場合には、所有者不明土地管理命令の対象とされた土地又は共有持分及び所有者不明土地管理命令の効力が及ぶ動産並びにその管理、処分その他の事由により所有者不明土地管理人が得た財産(以下「所有者不明土地等」という。)の管理及び処分をする権利は、所有者不明土地管理人に専属する。
2 所有者不明土地管理人が次に掲げる行為の範囲を超える行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。ただし、この許可がないことをもって善意の第三者に対抗することはできない。
一 保存行為
二 所有者不明土地等の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為
(所有者不明土地等に関する訴えの取扱い)
第264条の4 所有者不明土地管理命令が発せられた場合には、所有者不明土地等に関する訴えについては、所有者不明土地管理人を原告又は被告とする。
(所有者不明土地管理人の義務)
第264条の5 所有者不明土地管理人は、所有者不明土地等の所有者(その共有持分を有する者を含む。)のために、善良な管理者の注意をもって、その権限を行使しなければならない。
2 数人の者の共有持分を対象として所有者不明土地管理命令が発せられたときは、所有者不明土地管理人は、当該所有者不明土地管理命令の対象とされた共有持分を有する者全員のために、誠実かつ公平にその権限を行使しなければならない。
(所有者不明土地管理人の解任及び辞任)
第264条の6 所有者不明土地管理人がその任務に違反して所有者不明土地等に著しい損害を与えたことその他重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人の請求により、所有者不明土地管理人を解任することができる。
2 所有者不明土地管理人は、正当な事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。
(所有者不明土地管理人の報酬等)
第264条の7 所有者不明土地管理人は、所有者不明土地等から裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる。
2 所有者不明土地管理人による所有者不明土地等の管理に必要な費用及び報酬は、所有者不明土地等の所有者(その共有持分を有する者を含む。)の負担とする。
  • 当事務所は、土地の筆界の専門家である土地家屋調査士に加え、農地転用相続土地国庫帰属制度業務の実績がある行政書士が専門知識と実体験を踏まえながら、ご相談を承ります。
  • 相続土地国庫帰属制度業務については、私が実際に受任した案件を通じて気づいたことや法務局に確認した内容をブログにも掲載しています。
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