下水道受益者負担金を支払っている土地でも相続土地国庫帰属制度の承認申請をすることができますか?

下水道受益者負担金を支払っている土地でも相続土地国庫帰属制度の承認申請をすることができますか?
相続土地国庫帰属制度
 ~相続した土地を国に帰属させたいとき~

事例紹介

・相続土地国庫帰属制度の承認申請書作成代行

茨城県 (事務所ホームページのお問い合わせフォームからご依頼いただいた事例。)
別荘地 (事務所ホームページを見て電話された方からご依頼いただいた事例。)

・仮杭設置及び図面作成

佐賀県 (登記記録の地目:山林、現況地目:雑種地。境界標なし、対象地及び隣接地は全て更地。)

佐賀県 (地目:宅地。境界標一部あり、隣接地の一部に建物がある土地。

報酬額(税込

・相続土地国庫帰属制度の承認申請書作成代行 30万円~
詳細は、「相続土地国庫帰属制度の承認申請書作成代行費用はいくらですか?」をご覧ください。
※審査手数料(1筆当たり14,000円)及び負担金(1筆当たり20万円が基準)が別途発生します。

・仮杭設置及び図面作成 15万円~
詳細は、「相続土地国庫帰属制度業務の「仮杭設置及び図面作成」を
土地家屋調査士にお願いした場合の費用はいくらですか?
」をご覧ください。

ご依頼の流れはこちらです。
(ご相談→概算御見積金額のご提示→正式御見積金額のご提示→業務着手)

下水道受益者負担金を支払っている土地でも相続土地国庫帰属制度の承認申請をすることができますか?

1 下水道受益者負担金を支払っている土地でも相続土地国庫帰属制度の承認申請をすることができますか?

2 「国庫に帰属したことに伴い、法令の規定に基づき申請者の金銭債務を国が承継する土地」が相続土地国庫帰属制度の帰属の承認ができない土地(審査の段階で該当すると判断された場合に不承認となる土地と定められている根拠法令は?

3 都市計画法第75条とは?

1 下水道受益者負担金を支払っている土地でも相続土地国庫帰属制度の承認申請をすることができますか?

下水道受益者負担金を支払っている土地でも相続土地国庫帰属制度の承認申請をすることができますか?

下水道受益者負担金を支払っている土地は、「国庫に帰属したことに伴い、法令の規定に基づき申請者の金銭債務を国が承継する土地」であって、相続土地国庫帰属制度の帰属の承認ができない土地であると考えられるため、相続土地国庫帰属制度を活用することができないと考えられます。

法務省ホームページ「相続土地国庫帰属制度に関するQ&A 8 不承認事由関連」において、金額にかかわらず賦課金が発生している場合には相続土地国庫帰属制度を活用することができない旨が記載されています。

下水道受益者負担金とは、都市計画法(昭和43年法律第100号)第75条に基づき、下水道が整備されることによって利益を受ける土地の所有者に対し、負担金が賦課されるものです。

下水道受益者負担金は、その土地に一度だけ賦課されるものとされています。

また、下水道受益者負担金の納付方法については、下水道事業を行う者によって手続は異なりますが、分割納付又は一括納付で支払うものとされています。

したがって、下水道受益者負担金を全て支払った土地であれば、「国庫に帰属したことに伴い、法令の規定に基づき申請者の金銭債務を国が承継する土地」ではないと考えられるため、相続土地国庫帰属制度を活用できると思います。

詳細は、

相続土地国庫帰属制度の帰属の承認ができない土地(審査の段階で該当すると判断された場合に不承認となる土地)の「国庫に帰属した後、国が管理に要する費用以外の金銭債務を法令の規定に基づき負担する土地」とは?

相続土地国庫帰属制度の帰属の承認ができない土地(審査の段階で該当すると判断された場合に不承認となる土地)の「国庫に帰属したことに伴い、法令の規定に基づき申請者の金銭債務を国が承継する土地」とは?

をご覧ください。

法務省ホームページ「相続土地国庫帰属制度の概要」に掲載されている「相続土地国庫帰属制度のご案内」の23ページ及び25ページから抜粋したものです。

2 「国庫に帰属したことに伴い、法令の規定に基づき申請者の金銭債務を国が承継する土地」が相続土地国庫帰属制度の帰属の承認ができない土地(審査の段階で該当すると判断された場合に不承認となる土地と定められている根拠法令は?

相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律(令和3年法律第25号)第5条第1項第5号及び相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律施行令(令和4年政令第316号)第4条第3項第5号により、「国庫に帰属したことに伴い、法令の規定に基づき申請者の金銭債務を国が承継する土地」は相続土地国庫帰属制度の帰属の承認ができない土地(審査の段階で該当すると判断された場合に不承認となる土地)として定められています。

相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律
(承認)
第5条 法務大臣は、承認申請に係る土地が次の各号のいずれにも該当しないと認めるときは、その土地の所有権の国庫への帰属についての承認をしなければならない。

 五 前各号に掲げる土地のほか、通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する土地として政令で定めるもの

相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律施行令
(承認をすることができない土地)

第4条
3 法第5条第1項第5号の政令で定める土地は、次に掲げる土地とする。
 五 法令の規定に基づく処分により承認申請者が所有者として金銭債務を負担する土地であって、法第11条第1項の規定により所有権が国庫に帰属したことに伴い国が法令の規定により当該金銭債務を承継することとなるもの

3 都市計画法第75条とは?

都市計画法
(受益者負担金)
第75条 国、都道府県又は市町村は、都市計画事業によつて著しく利益を受ける者があるときは、その利益を受ける限度において、当該事業に要する費用の一部を当該利益を受ける者に負担させることができる。
2 前項の場合において、その負担金の徴収を受ける者の範囲及び徴収方法については、国が負担させるものにあつては政令で、都道府県又は市町村が負担させるものにあつては当該都道府県又は市町村の条例で定める。
3 前2項の規定による受益者負担金(以下この条において「負担金」という。)を納付しない者があるときは、国、都道府県又は市町村(以下この条において「国等」という。)は、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。
4 前項の場合においては、国等は、政令(都道府県又は市町村にあつては、条例)で定めるところにより、年14・5パーセントの割合を乗じて計算した額をこえない範囲内の延滞金を徴収することができる。
5 第3項の規定による督促を受けた者がその指定する期限までにその納付すべき金額を納付しない場合においては、国等は、国税滞納処分の例により、前2項に規定する負担金及び延滞金を徴収することができる。この場合における負担金及び延滞金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
6 延滞金は、負担金に先だつものとする。
7 負担金及び延滞金を徴収する権利は、これらを行使することができる時から5年間行使しないときは、時効により消滅する。
  • 当事務所は、土地の筆界の専門家である土地家屋調査士に加え、農地転用相続土地国庫帰属制度業務の実績がある行政書士が専門知識と実体験を踏まえながら、ご相談を承ります。
  • 相続土地国庫帰属制度業務については、私が実際に受任した案件を通じて気づいたことや法務局に確認した内容をブログにも掲載しています。
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